2017/12/29

タイ最北部を自家用車で巡るドライブ旅行の2日目は、メーサローンを訪れた。


標高およそ1,100mの山の中にある小さな村、メーサローンは第2次世界大戦後に勃発した中国共産党との内戦に敗れ中国から敗走してきた段希文将軍率いる国民党93師団第5軍の兵士とその家族によって作られた。


もっとも、彼らは中国から直接ここに来て移り住んだわけではなく、最初は1949年にミャンマー北部に逃げこんだのだが、国外退去を求められここに移動してきたという(村の周辺には、メーサローンのように観光地化されなかった国民党の残党が暮らす小さな村が至るところにある)。


その後、一部の元兵士とその家族はケシ栽培など麻薬製造および密輸などに携わりながら大陸の中国共産党への反攻に転じることをもくろんでいたものの、最終的には武装解除してタイから居住権を与えられ国籍を取得した。


同じく中国共産党との戦いに敗れた人々が多く住む台湾から援助された木で栽培したお茶をはじめとするさまざまな農業、そして現在は観光業を合わせた2本柱がこの村の経済を支えている。


自分がこのメーサローンを初めて訪れたのは、もう今から30年近く前の1989年。


当時はまだ麻薬王クンサーの影響力が強く、自分たちが宿泊した旅社のようなゲストハウスの入口の壁に貼ってあった大きな地図には、村の裏山の稜線から向こう側は赤く塗られ、大きく「クンサー」と書かれており、宿の主人からも「この前の道を山の上から先には絶対に行ってはいけないよ。もっとも行こうとしてもタイの軍隊がいるから行けないけどね」と固く注意されたのだった。


村に通じているのは、まだメーチャーンからの舗装も満足にされていない細く険しい道が1本だけしかなく、今では想像もできないだろうが、村の中を馬に乗った隊商が行き来していたほか、野菜などを細々と道端で売っていたアカ族の写真を撮ろうとしたら石を投げられたりするくらいまだ観光地化されていなかった。


また、ちょうど天安門事件の直後だったので、村の中のあちらこちらに漢字で事件を非難する貼り紙がしてあったのも強く印象に残っている。


グーグルマップで調べたら、メーチャーンからこのメーサローンへと続く国道沿いにある宿泊していたリゾートホテルからだと山道とはいえ1時間ちょっとで着いてしまうようなので、往路はメーチャーンの街に一度出てからタートーンやファーンへと通じる国道1089号線を西進し、途中から国道1130号線へと入ってメーサローンに行き、帰りはその国道1130号線をまっすぐメーチャーン方向へ降りてホテルに戻る、周回ルートでドライブすることにした。







途中、特に国道1130号線に入ってからは急こう配の道となり、路面の状態などはよかったもののところどころギヤを1速に入れなければ登れない(降りれない)ところもあったりして気を使ったが、ノンビリ走っても2時間ほどでメーサローンに到着。


自分は1年前にも来たのだが、カミさんはまさに1989年以来の訪問ということで、車でまずはざっと村を貫く1本道を走った後、適当な場所で車を止めて歩いて散策した。


かつて、村の中心は現在セブンイレブンのある周辺の坂のきつい場所だったのだが、今はそれよりもずっと南西寄りの大きな学校が建つ平らな場所に移ってしまっている。


しかしその周辺は新しい建物ばかりで見てもあまり楽しくはないので、自分たちはその昔は中心だった場所を歩いた。


「建物でも残っていれば......」と、初めてここに来た30年ほど前に泊まった宿をカミさんと探そうとしたのだが、2人ともどのあたりだったのかすらもはや思い出せず「それだけ時間が過ぎたってことだよね」と、揃って妙に感傷的な気分になってしまったのだった。







タイ最北部の山中にあるドーイ・メーサローンの村の風景(1)


タイ最北部の山中にあるドーイ・メーサローンの村の風景(2)


タイ最北部の山中にあるドーイ・メーサローンの村の風景(3)


タイ最北部の山中にあるドーイ・メーサローンの村の風景(4)


タイ最北部の山中にあるドーイ・メーサローンの村の風景(5)


タイ最北部の山中にあるドーイ・メーサローンの村の風景(6)


タイ最北部の山中にあるドーイ・メーサローンの村の風景(7)


タイ最北部の山中にあるドーイ・メーサローンの村の風景(8)


タイ最北部の山中にあるドーイ・メーサローンの村の風景(9)


タイ最北部の山中にあるドーイ・メーサローンの村の風景(10)


タイ最北部の山中にあるドーイ・メーサローンの村の風景(11)


タイ最北部の山中にあるドーイ・メーサローンの村の風景(12)


タイ最北部の山中にあるドーイ・メーサローンの村の風景(13)


タイ最北部の山中にあるドーイ・メーサローンの村の風景(14)









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