2018/01/22


自分は普段、このブログだけでなくインターネット上で、そしてリアルなコミュニケーションでも怒りや嘆き、不満(文句)、後ろ向きな、否定的な、シニカルなことは書かない(言わない)よう心がけているのですが、ごくたまにどうしてもがまんできなくて毒を吐きたくなる時があります。


申し訳ありませんが、今日はそういうたぐいの内容になってしまいました(^^;




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ずっと長い間、おそらく20年以上になると思うが、クレジットカードはアメックス(AMEX、アメリカン・エキスプレス)のゴールドカードをメインで使って来た。


もともとどういうきっかけでカードを持つようになったのかは覚えていないのだが、現役時代は月平均で20万円から30万円、多い月だと50万円くらい支払っていた。


そのためか、年がら年中「プラチナカードを作りませんか?」というとても凝ったつくりのインビテーションレターが自宅に送られて来ていた。


さすがに、年会費だけで10万円もするクレジットカードを持つ気にはならなかったが。


現役を退いてからはさすがにぜいたくできないのでクレジットカードを使う機会も激減したが、それでも日本で所持したままの携帯電話や加入中の各種保険などの支払い手段としてアメリカン・エキスプレスをそのまま使用していたので、毎月3万円から5万円くらいは支払っていただろう。


もちろん、過去に一度たりとも支払いを延滞したり、カード利用で問題を起こしたりしたことはない。


そんな、長年愛用してきたアメリカン・エキスプレスのゴールドカードだが、数カ月前に有効期限がやってきた。


これまでは、有効期限の2カ月ほど前に新しいカードが日本の自宅に送られて来ていたのだが、そのタイミングだとチェンマイにいるので日本に戻るまで使えなくなってしまう(日本の自宅で受け取っておいてもらうことは可能だが)。


ほかのクレジットカードを使えば別に困ることはないのだが、アメリカン・エキスプレスでポイントを溜めて航空会社のマイレージに移行していたこともあり、できることならチェンマイで新しいカードを受け取ることができないだろうか、と思いコールセンターに電話して問い合わせてみることにした。


チェンマイから、アメリカン・エキスプレスのゴールドカード専用番号に電話する。


応対してくれた女性オペレーターの言葉づかいはとてもていねいな上、用件を伝えると「今もタイからお電話いただいてますでしょうか?それでしたら、こちらからお電話をかけ直しますが」と言っていったん電話を切り、わざわざこちらへ架電してくれたのだった。


チェンマイの自宅の住所などを伝え、すべての手続きが終わって電話を切る直前に、念のためと思って「新しいカードはだいたいいつ頃届きますか?」と聞いたところ、オペレーターの女性は「はい、例年通り*月の末頃になります」と答えた。


この時「ん???」と思ったのだが、この女性が自分に伝えてきた時期はカードの有効期限のおよそ1カ月後だったのだ。


それでもオペレーターは「では、間違いなくタイのチェンマイのほうにお届けさせていただきます」と言っていたので「まあ、単純な言い間違いかな」くらいに思って、その場では特に改めて再度確認などはしなかった。


そしてその数日後、「一時的な住所変更」というタイトルのメールが登録してあるアドレスに送付されて来て普通であればこれであとは新しいクレジットカードが届くのを待つだけ、「さすがインターナショナルなカード会社だけあって、タイに住んでいても何の不便も感じないなあ」で、あっという間に忘れてしまっただろう。


しかし、待てど暮らせど新しいクレジットカードが届かない。


タイ国外に旅行に出たりもしていたので、もし受け取ることができなかったなら日本と同じように郵便局の不在連絡票が入る(EMS(国際スピード郵便)とか国際書留郵便で送られてくると思っていたので)だろうし、万が一不在で差出人に戻されてもアメリカン・エキスプレスから何らかの連絡が来るだろうと思っていた。


日本の留守宅に問い合わせも、そちらにも届いていないという。


そうこうしているうちにカードの有効期限も切れ、日本への一時帰国がどんどん近づいてしまった。


チェンマイを訪れる親戚・友人も続いたりして、再度コールセンターへ連絡するタイミングも逸してしまい、「もうカードも送られてこないなら、いっそのこと退会してしまおうか」と考え方を変え、家族カードを保有しているカミさんに相談してみると「会費も高いし、いいんじゃない」とのことだったので、そのまま放置して日本に帰国したのだった。


まだこの時は本気で退会したいと思っていたわけでもなく、コールセンターの応対しだいでは引き続きアメリカン・エキスプレスをメインで使ってもいいかなあ、と考えていた。


日本に帰国してひと段落したころ、アメリカン・エキスプレスのゴールドカード専用番号に電話した。


要件によって電話が振り分けられるが、とりあえず「退会のご相談」へ回してもらうことにする。


自動音声は「ご相談」と言った。


「お手続き」と言わないところが何とも微妙である。


電話を受けたのは男性オペレーターで、カードを退会したい旨伝えると「よろしければ退会の理由をお聞かせいただけないでしょうか?」と言うので「期限が切れても新しいカードが送られてこないからです。タイにいたのでそちらに送ってもらうよう手配もしていただいたはずなのですが」と答えた。


先に「コールセンターの応対しだいでは引き続きアメリカン・エキスプレスをメインで使ってもいいかなあ、と考えていた」と書いたのだが、それはこの段階で「それは大変申し訳ございません。すぐに新しいカードをお送りさせていただきますので、引き続きお使いいただけないでしょうか」という答えが返ってくることを想定(期待)していたからだ。


しかし、それは見事に打ち砕かれた。


オペレーターの男性は明確なおわびの言葉を発することもなく「ああ......」というようなあいまいな返事をして、そのまま退会の手続きを始めたのだった。


この時点で、自分はハッキリと理解した。


アメリカン・エキスプレスは、最初から更新カードを送るつもりなどなかったのだと。


想像だが、最初にタイにカードを送付してくれるように電話した時には、すでにオペーレーターの女性が見ていたモニター画面には「会社としてカードを更新しない客」である旨、フラッグが立っていたのかもしれない。


いろいろな顧客に対する返事や応対のスクリプト(文言原稿)は当然用意されているのだろうが、自分のように「会社としてカードを更新しない(=カードを送付しない)客」が新しいカードを海外に送ってほしいと言ってくる、というようなイレギュラーなパターンへの対応方法はなかったのか、とりあえず送付先のタイの住所は聞いたものの、アメリカン・エキスプレスとして送るつもりのないカードがいつ送られてくるのか聞かれたものだから、女性オペレーターは有効期限の1か月後のタイミングを適当に答えたのかもしれない。


次に電話した時に相対した男性オペレーターは、最初から自分が切ってもよい客で引き留める必要がない旨モニターに表示されていたので、おわびを言うこともなくあいまいな返事をしてごまかしつつ(更新カードを送付しないことをこちらから細かく突っ込まれたらややこしいことになるので)、さっさと退会手続きを始めたのだろう。


退会手続きで唯一よかったのは、溜まっていたポイントをすべて航空会社のマイレージに変えることを向こうから提案してくれたことくらいで、「20年以上にわたる長いご利用ありがとうございました」というオペーレーターの最後の言葉も、自分にとっては皮肉としか聞こえなかった。




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これでこの話を終えてしまったら、まさに単なる不満の垂れ流し、あるいはフラストレーションの発散になってしまい、それは本意ではない。


一応、現役時代は顧客満足について多少なりとも勉強した者として、最後にまとめておこうと思う。



≪アメリカン・エキスプレスは、どうすれば自分にこれほどの不満(怒り)を抱かせずに済んだだろうか?≫


自分は、アメリカン・エキスプレスがカードを更新しなかったことに腹を立てているのではない。


「タイにお送りさせていただきます」とまで言っていた新しいカードを、何ら連絡、通告もないままに送付しない、という方法で一方的に契約を打ち切った(客のほうから退会するように仕向けた)ことが納得できないのだ。


そして、告知なしにカードが送付されなかった(=カードを使えないようにされた)ため、定期的にアメリカン・エキスプレスのカードで引き落とされていた日本で使用している携帯電話や各種医療保険などの使用クレジットカードを変更する手続きを短い2週間あまりの日本での一時滞在期間中に完結させなければならなかった、その時間と労力をアメリカン・エキスプレスによってなかば暴力的に奪われたことが不満なのである。


アメリカン・エキスプレスは営利企業である。


なので、カードの利用履歴をはじめさまざまな点から顧客をスコア化して、LTV(Life Time Value=顧客の生涯価値)を計算し、投資に見合うかどうかを判断しているに違いない。


カミさんの家族カードを含めれば4万数千円の会費を徴収してもなお収支が見合わないとなれば、カード(契約)を更新しないという選択肢もあるだろう。


実際、冒頭にも書いたように、現役時代に比べればカードの利用金額は激減していたし、もしかしたらそれがアメリカン・エキスプレスのゴールドカードの更新基準にそぐわなかったのかもしれない。


しかし、だどしたら、例年新しいカードを送付するタイミングよりもさらに前倒しで「残念ながらあなたは弊社の基準に照らしてゴールドカードを更新することができなくなったので、現有されているカードの有効期限をもって契約を終了します。あるいは通常のグリーンのカードに切り換えてください」という通告の手紙を1通出せばよかったのだ。


もしその手紙を受け取っていたならば、自分だったら「ああ、最近は利用金額も減ってたし、まあしかたないかな......」と納得しただろう。


そして時間的に余裕のある状態で告知されていれば、毎月引き落とされている携帯電話や各種医療保険の利用クレジットカードの変更も、ストレスなく手続きできたに違いない。


企業が通常、顧客対応でやってはいけないことのひとつに、顧客に状況や理由を説明せずにつんぼ桟敷に置いたまま、一方的に企業の論理(都合)を押しつける、というのがある。


顧客が納得する、しないは別としても、企業の姿勢として顧客に対して誠実に向き合う(今回の場合はカードを更新しないということを理由(細かく言わなくてもよい)とともにきちんと伝える)という意識が、アメリカン・エキスプレスに欠けていたのではないだろうか。



≪リタイヤが近いアメリカン・エキスプレスカードのホルダーへアドバイス≫


今現在、現役世代でアメリカン・エキスプレスをメインのクレジットカードとして使用している方。


現役を退いて利用金額が少なくなると、自分のように次のカード更新の際に何の連絡もなく突然カードが送られてこない(=使えなくなる)かもしれない。


こちらが、どんなにアメリカン・エキスプレスにロイヤリティーを持っていてもそんなことはもちろんお構いなしである。


果たして自分の体験がすべての人にあてはまるかどうかはわからないが、カードの使用についても投資などと同様、リスクの分散(複数カードの使い分け)をしておくのが望ましいだろう。


特に、毎月定期的に支払っているものについては、ひとつのカードに集中させておくと変更の手続きが大変(モノによってはインターネット上でカード変更の手続きが完結せず、書面を要求される場合があり、時間的にうまく引き継げない可能性もある)だ。



≪アメリカン・エキスプレスは、「6%」を生みやすいビジネス・オペレーション?≫


数字(比率)はもしかしたら間違っているかもしれないが、日本では一般的に言って企業(の商品やサービス)に不満や怒りを抱いた顧客で、実際に企業に対して直接クレームを言う人は全体のわずか4%ほどにしかすぎない。


で、残りの96%は「サイレント・マジョリティー(欅坂46じゃないよ)」として、黙ってその企業から離れ2度と商品・サービスを利用しないか、周りの家族や友人知人などにその企業の悪口を言ったりする。


ちなみに、悪いクチコミというのはよいクチコミの4倍の広がりを持つと言われており、家族や友人知人などがまたその家族や友人知人に悪いクチコミを広めていく。


そして、そのサイレント・マジョリティーの中の6%はさらに強い行動に出て、家族や友人知人にとどまらず、公的機関や新聞などメディアへの通報を通じて企業責任を追及したり、インターネットのSNS、クチコミ・評価サイト、あるいはこのようなブログを通じてその企業や商品・サービスへの不満・怒りを表明していくという。


このブログは閲覧している人もそれほど多いわけではなく、ましてや自分はインフルエンサーでも何でもないので、ここでどれだけのことを書いたからといって、世の中に影響を与えるようなことはまったくないだろう。


しかし、自分がこうやってアメリカン・エキスプレスの不誠実な対応に起因する不満や怒りを書き連ねるということは、自分と同じように不満・怒りを感じた(あるいは将来感じる)であろう人がほかにもたくさんいるということだ。


その中には、ひょっとすると社会的に影響力のある人や有名ブロガーといった人が、今まではいなかったかもしれないが将来含まれてきて、アメリカン・エキスプレスに対する怒り・不満を公然と唱えるかもしれない。


そうなって(炎上して)からでは、ブランド価値の毀損という点から言うと、どのような対策を取っても遅いのだ。


今回自分が経験したアメリカン・エキスプレスのビジネス・オペレーション(対応)は、ひょっとするとそうしたリスクを冒しやすい考え方・スキームなのではないだろうか。



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この一連の出来事が始まってからすでに時間が過ぎ、ある程度冷静かつ客観的に事象を眺めることができるようになったと感じたので、ブログ記事として書くことにした。


今回の出来事は、現役時代であれば講師として赴いていたいくつかの大学の授業でエピソードとして話す、あるいは全国各地で行っていた講演・セミナーで取り上げる材料として実にピッタリなので、きっと実社名はあげずに、でも実社名が想像できるようにして使っていたことだろう。


せっかくの好材料が、このブログで書くことでしか使うことができなくなってしまったのがまったくもって残念でならない。


でも、現役を退くっていうのはきっとそういうことだよね......




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